国土交通政策研究所は、旧建設省・建設政策研究センターと旧運輸省・運輸
研修所を母体として、国土交通省内の施設等機関として平成13年1月6日に発足
しました。中長期的な視点で、国土交通政策の的確な推進のための基礎的な調
査、研究を行っています。省内では通称『国政研』と呼ばれています。今回は、
運輸分野(特に物流分野)での環境負荷に関する研究をご紹介します。
地球温暖化の原因の一つとされるCO2排出量の削減は、今や世界共通の課
題です。日本では、京都議定書による6%の削減(1990年比)義務に加えて、
2020年までに25%削減(1990年比)するとしており、運輸分野でもより一層の
取り組みが必要とされています。
日本では、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)という法律
によって、一定規模以上の企業に対してCO2排出量の報告義務を課していま
す。国土交通省が所管する物流企業も報告制度の対象となっており、一定規模
以上の貨物輸送を依頼する側の荷主と、輸送を請け負う側の輸送事業者双方は、
国に対してCO2排出量を報告する義務があります。省エネ法における報告対
象範囲は、国内における所有権のある貨物の輸送だけです。しかしながら、近
年は日本企業のグローバル化・多角化が大きく進展し、海外からの原料調達や
海外への製品販売は非常に多くなっており、省エネ法の枠組みだけでは物流活
動に伴うすべてのCO2排出量をとらえきれないのが現状です。
このような問題意識のもと、国政研では、省エネ法の枠組みを超えた、国際
間及び外国内の物流から生じるCO2排出量の算定・開示について、統一的な
手法の提示を目指した調査研究を行っています。これまでに、サプライチェー
ン全体の物流から生じるCO2排出量を簡易に算定できるツールを開発したり、
各企業が本ツールを活用し物流CO2排出量を算定するための手引きも作成し
て公表しています。これらにより、わが国の各企業が、グローバルな範囲で
のCO2排出量を把握・算定し、自主的な改善のための取り組みに役立ててい
くことを期待します。
国政研では、今後も先進的な調査研究活動を通じて国土交通省の政策立案を
支援していきます。
■国土交通政策研究所ホームページ
http://www.mlit.go.jp/pri/